前回までで、 Protectli Vault FW1 に VyOS インストール、簡単な速度測定をしたので、 OPNsense に乗せ換えて比べてみた。
OPNsense のウェブページから USB メモリ用の img.bz2 をダウンロードして、bz2 を解凍してディスク(パーティションではない)に丸ごと dd で書き込み、そこから boot した。vga なイメージをダウンロードしたにも関わらず画面は Booting で止まり、シリアルポートからしか見えなかった。シリアルポートでも起動時・終了時以外は特に何かが出るわけではないが、起動時にはそれぞれの端子の IP アドレスなどが出るので便利ではある。ちなみに、 115,200 bps なので Vault の BIOS の初期設定と同じでちょうどよい。
Live イメージになっていてそのままでも利用は可能で、”WAN” で DHCP が利用可能だと “LAN” のポート(ただし初期設定では em0 なので、 Vault FW1 では “WAN” と印刷されている)からそのままインターネットに出ることができた(DHCP も動いている)。LAN 側に繋いで 192.168.1.1 宛に ssh (ユーザ名 installer、パスワード opnsense)でインストールできた。その時立ち上がっている WebUI からは installer ログインできないようだ。
起動後も初期設定は WAN と LAN が逆になっているが、管理画面から割り当てを変えることで管理画面の表示と印刷を合わせることができる。割り当て変更直後は DHCP がうまくうごかないのか、一度電源ボタンを単押ししてシャットダウンしたあと起動した。もっといい方法はあるかもしれない。
なお、大抵のサービスは初期設定で全インターフェイスで LISTEN するようになっているので、探して LAN に変更する方がよさそう。
OPNsense は初期設定でも最低限のファイヤーウォールが設置されているようで、色々設定画面に出てきた。Linux (iptables) と FreeBSD の違いか、かなり設定項目が違ったので、ひとまず初期設定で前回と同じ構成で iperf を通したところ、次のようになった。
Vault の top
39 processes: 1 running, 38 sleeping CPU: 0.0% user, 0.0% nice, 30.7% system, 0.1% interrupt, 69.2% idle Mem: 115M Active, 103M Inact, 182M Wired, 31M Buf, 7418M Free Swap: 8192M Total, 8192M Free
iperf
TCP window size: 85.0 KByte (default) ------------------------------------------------------------ [ 3] local 192.168.1.101 port 57712 connected with 192.168.100.37 port 5001 [ ID] Interval Transfer Bandwidth [ 3] 0.0-20.0 sec 2.18 GBytes 935 Mbits/sec
PC Junkie rev2.4 – 【NW】pfsense VS Vyatta でも Vyatta は pfSense と比べて同じスループットでも CPU 使用率がはるかに低かったと報告されているが、今回の比較(VyOS と OPNsense)でも概ね同じ傾向のようだ(前回は VyOS は初期設定で 1% 未満、ファイヤーウォールを構成していくつか設定すると7%くらいだった)。
また、電源ボタンを押すと OPNsense が正常にシャットダウンした。
とりあえず、最初にインストールして気付いた差は次の通り。単純な設定でのスループット性能としては VyOS の方が優れていそうではあるが、どちらも Gigabit な環境でルータにするのに不足ということはなさそう。OPNsense は WebUI で色々いじれたりする点などもあり、ひとまずは OPNsense を使ってみることにした。
項目 | VyOS | OPNsense |
---|---|---|
NAT 930Mbps での CPU 使用率 | 初期設定1%未満 いくつか FW を設定すると 7% (条件は前回) |
初期設定約30% |
初期インストールでの SSD 消費量 | 約 500MB (約 1GB を squashfs 圧縮) |
約 1GB |
WebUI | なし | あり |