Crucial MX200 SSD を ThinkPad W550s で、 Windows 10 Pro で使用していたが、新しい PC を買った後しばらく経ち、 Ubuntu MATE に入れ替えようと思ったため、一旦 SSD のデータを消去しようとした。その際、ハマったのでメモしておく。
まず、 SSD の secure erase はハードディスクと異なり、 SSD に対してコマンドを発行することで行えるようだ。それ自体の手順は Solid state drive/Memory cell clearing – ArchWiki に記されている通り、一度 hdparm でパスワードを設定した後、 hdparm で –security-erase オプションを使用すればよいようだ。frozen 状態に注意するよう注意書きがあった。SSD はハードディスクと異なり使用中の領域かどうかを管理しているようなので、性能上も security erase して使うのが一番良いように思えた。
しかし、今回の SSD では、これをしようとすると、エラーが出た。エラーの内容は記録するのを忘れてしまったが、コマンドの実行で何かバッファでもあふれているかのような、怪しいエラーメッセージだった。その時ウェブ検索していた内容から見るに、bad/missing sense data
といったことが書いてあったようだ。この時開いていた、hard drive – hdparm error: SG_IO: bad/missing sense data – Super User の質問のエラーメッセージ(以下に引用)と同じようだ(数字の羅列が一致するかはわからない)が、状況は違うように思えた。
sda: Issuing SECURITY_SET_PASS command, password="PASSWORD", user=user, mode=high SG_IO: bad/missing sense data, sb[]: 70 00 05 00なお先の ArchWiki で書かれている frozen かどうかは、それらしい行がこの時は見当たらなかった。そもそも、Security の項がなかった。
また、先頭 593MB は読み書きできるものの、それ以上は Input/output Error で読み書きできない(dd if=/dev/sda of=/dev/null bs=1048576 count=1000 で簡単に確認できた)現象にもなり、削除せずに使い続けることもできなかった。
色々調べた結果、忘却の彼方: Crucial M500/M550/MX100とSecure Erase に、 Windows 8 以降ではいくつかの SSD において、ディスクのセキュリティ機能を変更できなくなるような修正を加えており、 PSID を復旧すると元に戻る旨が書かれていた。特に今回は BitLocker を使っていた端末でもあり、暗号化された領域にロックがかかっていたりしても不思議ではないように思えた。
結局のところ、 PSID をリセットする操作が必要であり、これを行うと無事に他の操作も行えるようだ。Crucial の SSD であったので、 Crucial Storage Executiveをインストールしたパソコンに、 USB-SATA で当該 SSD を接続し、「PSID を元に戻す」を押すと、データが消去される旨が表示され、その後無事 SSD を利用することができた。hdparm -I でも Security: の項目に frozen かどうか、表示されるようになった。security erase も ArchWiki の手順で成功した。