このブログを(多分) The Privacy Sandbox の FLoC による演算から opt-out した

最近、 Google が The Privacy Sandbox なる試みを行っているようだ。現在の広告その他のエコシステムを保ったままプライバシーを改善することを狙っているようで、 The Privacy Sandbox 自体が仕組みの名前というよりは複数の仕組みを作ることを通してプライバシーを改善するプロジェクトとして存在しているようだ。とはいえ、やはりサードパーティー Cookie を廃止するための代替としての、ブラウザ側でユーザーの閲覧履歴の分析・学習を行って、嗜好を知りたいサイト側にはどのグループ(Cohort)に属しているかだけを通知する FLoC が一番取り沙汰されているように感じる。

調べてみた感じでは現在のところ、広告のための学習のためにプライベートな情報を使う機構を今からわざわざ追加するモチベーションがあるとは思えない Firefox や Safari をどうするつもりなのかといった情報は見つけられなかった。もし少しでも Chrome 以外のブラウザを排斥する意図があるのであれば、それは Google によるインターネットの支配であり、オープンなインターネットの終焉であり、同一の事業者の広告が貼ってある複数ページの閲覧履歴を束ねて追跡されることよりもずっと危険な問題であると思うが、情報がない以上何とも言えない。

また、一応は学習を担当するブラウザベンダと学習結果を実際に評価できる広告事業者が別々の役割として存在しているわけで、何をどうやって学習するのかもよくわかっていないが、そのあたりは追っていない。加工されているとはいえ FLoC システム全体の学習のために、閲覧履歴をもとにしたデータをブラウザベンダとやりとりするというのであれば、ブラウザベンダが持つ権限は今よりずっと大きなものになりそうだと思っている。

ただし、少なくとも現時点で、明示的にサイト側で対応しなければすべてのサイトを学習の対象にしようとしているようだった。www.chromium.org ドメインにある The Privacy Sandbox のページからリンクされている GitHub リポジトリで WICG/floc: FLoC というものがあり、そこに現時点では以下のように記されている:

A site should be able to declare that it does not want to be included in the user’s list of sites for cohort calculation. This can be accomplished via a new interest-cohort permissions policy. This policy will be default allow.

opt-in 形式にした方が良いというプルリクは上がっており、まだ close はされていないようだ: Opt in cohort training by dmarti · Pull Request #42 · WICG/floc

従来では一応、関連の広告事業者の広告を表示する(といっても各社、広告にはなぜか自社ロゴではなくわざわざ似たような (i) のロゴを設置していて、マウスオーバーしない限りどこの事業者の広告かはわからないことが多いが)か、表示しなくとも関連の広告事業者に追跡させるためのコードを明示的に書いたページのみが対象になっていた。従って opt-out しなければ学習の対象になるというのは、従来と比べると随分学習に使うデータを乱暴に増やそうとしているように感じる。

opt-out するための方法は一応準備されている(まだ正式仕様ではないので、変わるかもしれないが)。

For example, a site can opt out of all FLoC cohort calculation by sending the HTTP response header:

Permissions-Policy: interest-cohort=()

従って関係ないサイトの広告のために閲覧履歴を使用されたくない場合は以下のようなヘッダを追加することになる。一応ブラウザから直接出る外部に値というわけではないものの、これらをもとに学習されたデータは任意のサイトから読みだされることになるし、学習の過程でブラウザベンダとの通信も発生すると思われることから、おそらくセンシティブな情報を扱うのであれば入れた方が良いだろう。

Permissions-Policy: interest-cohort=()

本質的にクライアント側の挙動であり、サイト側というよりはブラウザをインストールした側の責任ではある。とはいえ、プライバシーに寄せましたと主張しながら関係ないサイトの情報も広告に使うというのは、個人的には賛成できるものではない。そのため、せめてもの抵抗として、(ちゃんと排除できているか確認はできていないものの)このブログは interest-cohort は許可しないようにヘッダを追加した。これを理由に Google 検索の順位が下げらなければ良いが。

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